オーデュボンの祈り
- オーデュボンの祈り (新潮文庫)
- 伊坂 幸太郎
- 新潮社 2003-11
by G-Tools , 2008/03/20
既存のミステリーの枠にとらわれない大胆な発想で、読者を魅了する伊坂幸太郎のデビュー作。レイプという過酷な運命を背負う青年の姿を爽やかに描いた『重力ピエロ』や、特殊能力を持つ4人組の強盗団が活躍する『陽気なギャングが地球を回す』など、特異なキャラクターと奇想天外なストーリーを持ち味にしている著者であるが、その才能の原点ともいえるのが本書だ。事件の被害者は、なんと、人語を操るカカシなのである。 コンビニ強盗に失敗した伊藤は、警察に追われる途中で意識を失い、見知らぬ島で目を覚ます。仙台沖に浮かぶその島は150年もの間、外部との交流を持たない孤島だという。そこで人間たちに崇拝されているのは、言葉を話し、未来を予知するというカカシ「優午」だった。しかしある夜、何者かによって優午が「殺害」される。なぜカカシは、自分の死を予測できなかったのか。「オーデュボンの話を聞きなさい」という優午からの最後のメッセージを手掛かりに、伊藤は、その死の真相に迫っていく。
あははははは、実はこれ昨年末に読み終わってます(苦笑)。
タイムラグなど全く気にしないマイペースゾーン。それがこのサイト。
さて、こちらの作品は是非に!とおすすめされて読んでみました。
私は元来ファンタジーものは好んで読みません。現実世界としっかりリンクした所がないと、なぜか作品の中に入り込めないんですよねぇ。
なので、未だにハリーポッターさえもどんな話しなのか正確なところは不明だったりします。
絵空事のような出来事は好きなのに、絵空事めいた物語は好きじゃないという。
勧められなければ読まなかったであろうジャンルの作品なのですが、これは楽しめました。
江戸時代から本土とは切り離された独自の進化を続ける孤島を舞台に、しゃべるかかしや、ひどくピントのずれた男、規律に則って殺人を繰り返す男など、現実にあり得ないキャラクターが次々と出てくるので、全体的にはどこか浮世離れした空気が漂っているのですが、その世界に入り込む主人公をはじめとする本土から島へ入り込んでくるの人々の持つ暗い感情が、現実世界と物語をつなぎ止めているのでしょうか。
設定はファンタジーですが、この作品は主人公がカカシの殺害理由を解き明かしていく過程が主軸に据えられているので、ジャンルとしてはミステリーになるんでしょうかねぇ・・・。
物語の最後へ向けてちりばめられたパーツが一気にまとまっていく感じや、作り物の世界のはずなのになぜだかすとんと腑に落ちる感覚は、実際読んだ方にしかうまく伝わらない気がします。
決してほのぼのした内容ではないし、好き嫌いがありそうな内容なので、万人にお勧め出来る作品ではないと思いますが、テンポのいい文章が好きな人なら、きっとそれなりには楽しめると思います。
私は好きです。
人生にくじけそうな時、何もかもが八方ふさがりに思えるような時に読むのがおすすめかもしれません。
読後、ほわっとあったかい気持ちになれて、とっても幸せでした。
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「オーデュボンの祈り」
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