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はじめての夜 二度目の夜 最後の夜
- はじめての夜 二度目の夜 最後の夜 (集英社文庫)
- 村上 龍
- 集英社 2000-01
by G-Tools , 2008/03/20
東京で活躍する作家・ヤザキはある夜、中学時代の同級生・アオキミチコから電話を受ける。初恋の女性だった。懐かしく切ない声に、ヤザキは、失われた「黄金時代」を思い、ハウステンボス内にある唯一無比のフレンチレストラン「エリタージュ」での再会を約束する。そして、二十年という時間を経て、「はじめての夜」がやってきた。年月と共に初恋は消滅したのか、それとも…。中学時代の初恋が、溜息の出るような最高の料理とともに今、切なく甦る。
私にとってこれが4冊目の村上龍作品になります。
「限りなく透明に近いブルー」、「コックサッカーブルース」、「超電導ナイトクラブ」と、結構アレな感じの作品ばかり読んでいたので、この作品は私にとってはかなり意外な手触りの作品でした。上記3作品みたいに、読んでいる間中ずっと脳内をかき回され続けるような感覚はなく、ある意味とても普通にというか、すーっと読めちゃうというか…。
以前、「限りなく透明に近いブルー」の感想エントリで、zax@Brilliant Roseさんから、「料理小説集もおすすめだよー」と伺っていたので借りてきたんですけど、確かに他の作品とはアプローチが違いました。
初出誌が「コスモポリタン」と言う事もあってか、女でも読みやすい内容で、エグさはかなり控えめです(笑)。
初恋の女性と二十数年後に出会い、昔を思い出しつつ逢瀬を重ねていく、その経過に二人が食べた料理をからめつつ話が進んでいくのですが、二人の間には常に昔の思い出が介在しているので、どの瞬間を切り取ってもどこかほろ苦さが残るんですよね。しかも双方ともに、初めから予定調和の中においての関係と了承し、その場限りの楽しみと言い聞かせているような所があるので、余計に哀愁が残るというか…。
好きな気持ちはその瞬間ごとに過去のものとなり、時が流れれば淡い思い出も残骸になってしまう。
そして残骸は残骸でしかなく、失った想いは元には戻らない。
センチメンタルな気分を共有するだけの仲には限界があると言う事なのかも知れません。
うーん、私にはこういうシミュレーションゲームみたいな恋愛は無理ですね(苦笑)。
例え泥臭くて、かっこ悪くても、相手が見える関係じゃないと信じられないし、信じられないような関係を維持するために時間を突っ込むのなんかバカバカしいし。得られたものが幻想だけだなんて寂しすぎるじゃないですか、って一般的にはそうでもないのかな(苦笑)?
余談になりますが、この本も例に漏れず、最先端情報と専門知識がたっぷりでして、やっぱりこの作者はカッコ付けまくってインテリ風をふかすのが大好きみたいです(大笑)。出てくる料理はどれもおいしそうな予感はするのですが、聞いた事のない食材もあり、説明を読んでも想像がつかなかったメニューも多々。
まぁ何にしろ、ワタクシみたいな庶民には縁のないアイテム揃いですね。
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