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雪蛍

2005/04/14 | Comments & Trackbacks : 4
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雪蛍 (講談社文庫)
大沢 在昌
講談社 1999-03

by G-Tools , 2008/03/21

これを一番最初に読んでしまったのは、どうやら間違っていたようです(苦笑)。
読んでから感想を書くために調べてみた所、探偵・佐久間公シリーズは『標的走路』、『感傷の街角』、『漂泊の街角』、『追跡者の血統』、『雪蛍』、『心では重すぎる』 とあり、私は前の4作をすっ飛ばしていきなり5作目を読んでしまったことが判明。
やっちゃいましたよ…(苦笑)。
でも予備知識がなくても、十分面白く読めるいい作品でした。

主人公が勤める薬物中毒更正施設でのエピソードと、彼の元本業である失踪人捜索のエピソードがからみつつ物語が進んでいくのですが、私は前者の、迷いながらも彼の生き方を貫き通すことで、固く心を閉ざしていた青年が心を開いていくくだりがとても好きです。
人の暖かさにも心を打たれるし、決して器用とは言えない主人公の生き方が肯定されるシーンが、涙なくしては読めなかったです。

私、実は”ハードボイルド”の意味をよくわかっていなかったんです。
よく聞く単語の割にはきちんとした定義がわかっていないという(苦笑)。

ハードボイルドは元来は堅ゆで卵のこと。転じて、ミステリの分野で、感傷を排して、ことさらに文体や主人公の性格、行動などの冷静さ、一部には冷酷を装った内容をもつ作風の小説のことをいう。

小説の内容が、犯罪や謎を解決するものが主であることから、推理小説の1ジャンルとして分類されることが多いが、謎の論理的な解決の過程を描くことを主眼とする本格派に対し、探偵役である主人公の行動を描くことを主眼とする傾向が強いのが特徴。主人公のタイプは、軟弱な生き方を拒否することが多いため、冒険小説にも分類されることが多い。

1930年代のアメリカ文学でダシール・ハメット、レイモンド・チャンドラーなどにはじまる。

引用  Wikipedia:ハードボイルド

この作品は「本格的ハードボイルド」作品だそうで、こんな文体や作風がそうならば、私はハードボイルドものはどうやら好みなようです。
冷静で優しく仕事の出来る大人の男の人が大好きなもので。
あと5冊読破しないと気が済まないなぁ、これは。

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Comments & Trackbacks : 4

Response from zax2005 年 4 月 14 日 22時07分

大沢 在昌さんは残念なが読んだことが無いのですが、ハードボイルドの話題ということで。
引用されているレイモンド・チャンドラー、ハードボイルド好きには堪りません。
If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t ever be gentle, I woudn’t deserve to be alive.
「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格が無い。」
カッコ良すぎです。
学生の頃はフィリップ・マーロー(レイモンド・チャンドラーの小説の主人公です)に憧れ、とりあえず形から入ってギムレットばかり飲んでいました。
上記の台詞も学生時代は単なるカッコいい響きの言葉でしたが、本当に言葉の意味を身を持って理解できるようになると正に名言としか言い様がありません。
男というのはカッコ良くなくても、カッコをつけ続けるべきなんだと。
30になった今でも思います。

Response from もそ2005 年 4 月 15 日 0時08分

■zaxさん
どうやら最近私が読んでいるジャンルがzaxさんの好みとかぶってる見たいですねぇ(・∀・)ニヤニヤ

レイモンド・チャンドラーって最近まで名前さえも知らなかったんです。
何しろ海外文学を読むと登場人物の名前がカタカナなので覚えられなくて(苦笑)。

> 「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格が無い。」
うーん、素敵すぎ(ノ´∀`*)

私も男の人は格好良くいられるように努力して欲しいと思います。
男の人には生活力と知力と優しさと包容力が備わっていて欲しいなぁ、と。
ちょっと古くさい考え方だと思うんですけど、不器用でも自分の規範をきっちりと守りつつ生きている、そう言う姿に惚れてしまうと言うか…。
それってまさにこの手の本の主人公の生き方そのものなんですよね。
どうりではまるわけです(笑)。

Response from Border.2005 年 4 月 16 日 0時42分

”ハードボイルド”と書いて、やせ我慢と読むのですよ。^^

ハードボイルドという単語そのものはどうも男くさくて、男根崇拝(マチズモ)を想起させていやなんですよね。その頑固さ、厳しさの裏に隠された、痛み、哀しみ、やさしさみたいなものを行間に押さえ込んだものがハードボイルド的文体だと思います。
もともとは、ヘミングウェイの一連の短編集の文体から来てると思いますよ。

この本は、確かに一連の失踪人デティクティブ 佐久間公シリーズの復活作ではありますが、この本だけでも充分作品として完結してますので、他の作品を読んで無くても大丈夫。

以前の作品は、大沢在正がデビューした若い頃の作品なので、年齢にあわせて文体も今ほど老成されておらず、主人公たちも若くて軽く読めます。良い作品の条件ですが、このシリーズ、脇役が良いですよん。^^

最初に私が読んだのは高校生の時でした。(苦笑)

Response from もそ2005 年 4 月 16 日 11時12分

■Border.さん
かっこいい生き方ってやせ我慢そのものでしょう(笑)。

マチズモって何だろう?ってまた調べてしまいましたよー。
確かにそう言う固定化された男らしさを連想させる単語ではあるかもしれませんねぇ。
私が今までイメージしていた印象は、悲喜こもごもの経験を積んできた大人が、自らの経験から作られた美学に基づいて行動しているとか、そんな感じで、それは男女関わらず当てはまるんじゃないかって思ってました。
西原理恵子とかハードボイルドな生き方をしていると思うんですよねぇ。破天荒かも知れないけどかっこいいな、と。

あー、話がずれまくってしまいました(苦笑)。

文章の間に隠された哀しさにすごく惹かれるんですよねぇ。
心が締め付けられるような気がするんです。
単純に悲しい話より泣ける気がします。